伊東制作所ブログ

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DTMミュージシャンは必見!サンプリングCD使用の落とし穴

周りの音楽関係者の方に聞いても、みなさん意外と知らない落とし穴に気づきました・・・

サンプリングCD(※1)の素材を利用することは、アマチュア/プロに限らずDTM(デスクトップミュージック)で曲を作る人にとっては日常的な行為だと思います。
ただしそうやって完成した曲が、著作権フリーのBGMライブラリ・音楽素材集として配布されると、サンプリングCDの利用規約違反として、損害賠償の対象となる場合もありそうです。

けっこうキビしい利用規約

なぜなら、サンプリングCDの利用規約の多くには
「音楽素材集にこのサンプリングCDの音を使うのはダメ。単体だろうが曲中で他の音とまざっていようが、形式は問わない。」
という意味の条文が盛り込まれているためです(※2)。

自分で曲を管理する分には違反しないように気をつければいいだけですが、注意が必要なのがクライアントワークの場合。
完成した曲をお客さんに納品するにあたって著作権を譲渡、いわゆる「買い取り」にすると、実質的に曲は自分の手を離れていってしまいます。(※3)

もちろん著作者人格権は残るはずですが、特に取り決めをしない限り、曲の使い道についてクリエイター側は制御が困難です。(この観点から僕は買い取りの案件はほとんどやっていません。)
後日、想定外にお客さん側が悪気なく「自分の曲」として著作権フリーのサウンド素材として配布する可能性も考えられますよね。
その場合の責任は、サンプリングCDの利用規約に同意しているクリエイター側が負うことになるはずです。

まあ、そもそも、素材が抜き出せない状態になっている曲中で使うのもダメってどうなのよ?と、ちょっと腑に落ちない感じはします。
サンプリング音を単体で再配布するのがダメなのはもちろん理解できますけど。

いずれにしても仕事でこういう地雷を踏んでしまうと大変なので、この件について某サンプリングCDの大手に規約の解釈を問い合わせてみました。
回答は予想通り
「規約に触れるからダメ」
との一点張りでございました。

ちなみに下記のようなサイトで素材配布しているミュージシャンの方は、大丈夫なんでしょうか。
‣音楽で仕事をするなら | オーディオストック[Audiostock]
audiostock
このサイト自体は素晴らしいと思うので、大きなお世話かもしれませんが心配になってしまいます。

以上、DTMで音楽を作る方はちょっと注意が必要そうなポイントでした。
もし間違い・補足などありましたら、お気軽にご指摘ください。

パソコン工房音楽制作・編集向けパソコン

※1 「サンプリングCDとはなにか」については、下記のサイトに定番の説明があります。
http://www.g200kg.com/jp/docs/dic/samplingcd.html
最近はダウンロード形式の音素材も増えましたが、考え方は全く同じです。

※2 例としてクリプトン・フューチャー・メディア社の使用許諾書:http://www.crypton.co.jp/mp/pages/support/guide_license.jsp
項目7に注目!

※3 1月16日17:50注釈追加:この「自分の手を離れる」と言う点について、権利が残る場合もあるとご指摘いただきました。自分でもこの部分の認識がけっこう曖昧です。たとえば著作権の内いくつかの権利(支分権)を残して買い取るケースもあるのかな?

このエントリーを書いた人

伊東宏之(伊東制作所):Webディレクター兼サウンドクリエイターとして活動しています。


PROFILE

Hiroyuki Ito

ウェブディレクター/サウンドクリエイター。個人事業としての伊東制作所(当サイト)を経てシララ株式会社を設立。

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